面接官の心得!【次から使える質問項目列挙】

採用

面接ではどのような質問をすればよいか?
どう見極めたらいいの??

こうした疑問にお答えします。

医療現場では、管理職や人事担当者が面接官として対応することが多いと思います。
応募者を「よい人材」と思い採用しても、実際に現場に入ってから、先輩スタッフの指導時に「ミスマッチを感じる…」ようなことも少なくないのではないでしょうか?

その結果離職者が多くて悩んでいる医療機関や会社も少なくありません。

ここでは、そんなミスマッチを防ぎ自社が求める人材を見極めるための質問内容を紹介していきます。

質問をする際の考え方

質問を考える際、応募者の「現在」だけでなく「過去」や「未来」について合わせて確認するようにしましょう。

過去…「どのような経験をし、現在何ができるのか?」
→強みやその根拠といった戦力の確認が可能です。

将来…「何を実現したいのか?」
→継続的に戦力になり得るかという定着の確認をすることができます。

面接ではどのような質問をおこなうのか?

自社にあった人材を見極めるための質問

医療/介護の人材採用では極度の「売り手市場」です。その為、必ずしも自社の採用要件を満たす人材を採用できるとは限らず、採用する際は「何を重視するか?」を考える必要があります。

以下の7つの指標を参考に、それぞれの指標の優先順位を決めたり、面接の段階で質問内容を変えたりすることで、自社にあった人材かどうかを見極めましょう。

質問例①コミュニケーションスキルを見る質問

日常だけでなく、仕事を円滑に行う上で大切なコミュニケーション能力。今では約8割の企業が人材採用時にコミュニケーション能力を重視する項目に挙げているようです。

(例)「まずは簡単な自己紹介をお願いします」
シンプルですが、面接の導入部分での質問として使用できます。抽象度の高い質問に対し、自分自身のことをいかに具体的に端的に分かりやすく相手に伝えることができるか、というプレゼンスキルも確認できます。

(例)「患者さま(利用者さま)や上司、同僚とコミュニケーションを円滑にする上で、大事なことは何だと思いますか?」
応募者のコミュニケーションに対する基本的な考え方がわかる質問です。応募者のコミュニケーションに対する考え方を知ることができ、そのポリシーが会社のカルチャーにマッチするかわかれば、採用判断の基準にもなります。

質問例②志向性に関する質問

志向性とは、その人の考え方や価値観、働き方などをあらわすものです。これを見極めることで、会社の雰囲気にあうかどうかを判断できるほか、採用選考から配属、教育などにも活かすことができます。
応募者の志向性を理解しておくことは、長期的にも経営管理サイドとして強力な武器になるでしょう。

(例)「これまでに、ご自身が成長したと実感した瞬間はありましたか?また、それはどんな時でしたか?」
自身のがどういった領域や分野に興味があり、どの程度で成長と感じるのかという度合いを把握することができます。

(例)「働く上で、あなたのモチベーションを高めるものは何ですか?また、何があなたのモチベーションを下げますか?」
自身でモチベーションを高めれられる人材なのかを見極めるための質問です。募集職種とのマッチ度や、経営理念や自身の成長など、既存のスタッフとの相性なども確認することができます。

質問例③社風への相性を確認する質問

医療機関などは、すでに風土が出来上がっていることが多いため、採用する上で応募者が風土に共感をしているか、そしてマッチしているかを見極める必要があります。風土にあうかによって離職率の減少とそれに伴うコスト削減にもつながります。

(例)「これまで、どのような環境が一番働きやすかったですか?」
「風通しの良い環境」「裁量の大きい仕事を任せてもらえる環境」など、応募者が求める風土が実際の環境と一致しているかを確認しましょう。

(例)「組織で活動する上で重要だと思うことは何ですか?」
履歴書に記載されていることを中心にこれまでの組織での活動について質問をし、その行動パターンが社風とマッチするかを見極めましょう。

質問例④ストレス耐性に関する質問

応募者がストレスを感じる時やその場合の対処法を聞くことで、その人のセルフマネジメント力を見極めるだけでなく、採用後のサポートにも役立てることができます。

(例)「ストレスに感じる時はどんな時ですか?また、その場合ストレスをどのように発散していますか?」
何に対してストレスを感じるのか知ることで応募者の求める働き方を判断することができます。ストレス発散方法についての質問は、セルフマネジメントができる人材かどうかを見極めるために有効です。

(例)大きなストレスに感じた時、どう対処しましたか?」
失敗経験や挫折を経験した時にどのように向き合ってきたか、を聞くことで、ストレス耐性とそれに対する課題解決力を把握することもできます。そして現在、その挫折や失敗を乗り越え、ポジティブに考えられているかという点も重要です。

質問例⑤スキルを確認する質問

入社後の活躍をある程度見通せるように、書類選考だけでなく面接でもスキルを確認する質問を行います。
基本的なスキルとして、各業態でも求められる「専門的なスキル」の確認を行います。その他「PCスキル(Excelやワードの活用)」などを把握しておきことで、どこまで入社後の教育に工数がかかるのかをイメージできます。
医院側が応募者にどのようなスキルを求めているかを明確にしておくことが重要です。

(例)「〇〇職種になってから具体的にどのような仕事を経験してきましたか?また、自己学習など自ら深めた内容はありますか?」
どういったスキルをお持ちか、また程度を見極めるために、行います。

(例)電子カルテや連絡ツール(院内で活用している)など使った経験はありますか?
基礎的なビジネススキルを見る質問です。PCを使用した業務やメールでのコミュニケーションなどに抵抗感がないかを把握することができます。

(例)患者さんから、自分があまり得意ではない領域の質問をされた場合、どのような対応をとりますか?
スキル項目ではありませんが、スキルに関連して「対応力」を確認します。可能であれば、具体的なシチュエーションをイメージした質問であればより効果的です。

質問例⑥協調性を確認する質問

医療/介護現場では、同職種連携や他職種連携が必須となります。既存スタッフと仕事の進め方が異なると、入社後に現場に負荷が生じる可能性があります。「報連相が的確にできるか」「優先順位を立てて業務ができるか」など、仕事の進め方が自社とあっているかを見極めましょう。

(例)「あなたの考えるチームワークについて教えてください
回答の主語が、自分に向いているのか、チームに向いているのか、さらに広い組織への方向性に向いているのか、どういう意識を持って業務に取り組んでいるのか確認します。そして、エピソードを聞き、自社の風土にマッチするか確認をしましょう。

(例)「これまでにチーム内でどのような役割に立つケースがありましたか?具体的なエピソードがあれば教えてください」
過去にどのような役割に立っていたかで、応募者の集団での仕事の進め方を知ることができます。

質問例⑦志望度を探る質問

医院や会社への志望度が高いほど、入社後に向上心を持って仕事に向かい、早期成長につながることが期待できます。どの程度自社のことを理解して意欲を持っているか、確認しましょう。

(例)「当社についてどのようなイメージをお持ちですか?」
志望度が高いほど、自社の事業内容や業界について事前に調べて理解を深めていることが想定されます。自社のイメージを的確に捉えられているか、事実とのギャップや偏りがないかを確認しましょう。

(例)「当社で何を実現したいですか?」
会社の事業をどの程度理解し、さらに自身の強みをどのような場面で発揮できるかを確認する質問です。採用後の配置にも役立てることができます。

面接官としてのNG行動

面接で質問する際に心がけておくべきことは2つあります。

・応募者の基本的人権を尊重すること
・応募者の適性と能力のみを選考の基準とすること。


これらに関連して、面接時に聞いてはいけない内容を10項目にまとめられます。

<本人に責任のない事項>
1.「本籍・出生地」に関すること
2.「家族」に関すること(職業・続柄・健康・地位・学歴・収入・資産など)
3.「住宅状況」に関すること(間取り・部屋数・住宅の種類・近隣の施設など)
4.「生活環境・家庭環境など」に関すること

<本来的に本人の自由であるべき事項>
5.「宗教」に関すること
6.「支持政党」に関すること
7.「人生観・生活信条など」に関すること
8.「尊敬する人物」に関すること
9.「思想」に関すること
10.「労働組合(加入状況や活動歴など)」、「学生運動などの社会運動」に関すること

やってはいけないNG行動

面接官がやってしまいがちな面接時の対応は、以下の点が挙げられます。

・面接の準備不足が応募者に見抜かれている
・面接が不十分で、何を評価されたのか分からない
・面接官からの自己開示や募集背景の説明がないまま、面接が終わってしまう

面接のあり方とは??

面接は、応募者を見極めてミスマッチを防ぐだけでなく、応募者に好印象を与えることも重要です。
面接官は医院の「顔」として応募者に接し、応募者の本来の姿を引き出せるような質問や雰囲気作りも心掛けましょう。

まとめ

面接で大切なことは、応募者を見極めて、自社とのミスマッチを防ぐことです。7つの指標を参考に、「どのような人材が欲しいのか」、「どのように評価するか」について社内で共通の基準をつくり、優先順位を定めるところから始めましょう。